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論理とは、言葉と言葉のつながりのことです。

そのつながりが明晰であることを「論理的」と言い、

つながりが明晰でなければ「非論理的」と言います。

たとえば、次の2つの文章を読んでみてください。

 

   A、雨が降ってきた。だから傘をさした。

   B、湖でボートを漕いだ。布団はやわらかい。

 

Aが「論理的」ば文章、Bが「非論理的」な文章です。

Aでは一文目とニ文目とが明晰につながっていて、心地よく読むことができます。

一方、Bを読む人は、思わず「へ?」と言いたくなるはずです。

なぜこの文章には違和感が生じるのでしょうか?

日本語の使い方がおかしいからではありません。

一文目も二文目も意味の明快な文です。

しかし、二つの文がどうつながっているのか、

そのつながり方がわからないために、

まとまりのある文章として読んだときに混乱が生じてしまいます。

非論理的とは、このようにつながりが不明確であることを言います。

 

論理のあり方は時代と社会によって異なりますが、

人間は非論理的なことは理解できず、

物事が論理的であれば理解しやすくなります。

したがって文章を理解するためには、

文章が論理的でなければなりませんが、

文章自体が論理的に書かれていても、

読む側が論理的に読まなければ十分な理解に達することはできません。

読みとは、何よりもまず読み手による主体的な働きかけであるからです。

さて、論理とは言葉のつながりのことでした。

したがって文章を論理的に読む、とは、

言葉のつながりを意識しながら文章を読むということです。

ここでいう「言葉のつながり」には、複数のレベルがあります。

単語と単語のつながり、文節と文節のつながり、

文と文のつながり、文章と文章のつながり、などです。

これらのそれぞれに細かな意識を働かせて、

つながりを正確に理解していくことで、

文章の意味は明晰にとらえられるようになります。

逆に、これらのつながりに無自覚なままに文章を読むと、

理解はぼんやりとしたものに留まってしまいます。

ある程度長い文章は、使われる言葉の数自体も膨大なのですが、

実はそこには目に見えぬ細かな網目が張りめぐらされており、

言葉と言葉の無数のつながりによって成り立っています。

論理的な読み方とは、その無数のつながりを丁寧にたどる読み方であり、

文章の意味を正確に理解するための唯一の方法なのです。

 

 



投稿者: フィロソフィア国語教室 カテゴリー: タグ: 投稿日時: 2014年10月14日 03時39分