読解問題には、読み方・解き方がある!
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2学期。
中学生の精読教室では、宮沢賢治「土神と狐」を読みました。
神様と狐が、1本の樺の木に恋をする、
というなんとも宮沢賢治らしい独創的な設定で三角関係を描いたこの作品。
設定こそ現実離れしているのですが、そこに表現される感情はとても身近で、俗っぽくて切実で
そんなバランスが、個人的にとても好きな作品です。
土神は直情的でとっても素直な性格。
身なりも言葉も乱暴で、樺の木の目の前でも狐への嫉妬を隠せず、どなったり悪口を言ったりするので嫌われてしまい、泣きじゃくります。
いっぽう狐は、一見世渡り上手で器用な性格。
樺の木に好かれるために嘘をつくことで、ライバルの土神を圧倒して樺の木には尊敬されるのですが、
本当のことを話せない罪悪感と孤独感に苦しみます。
ありのままの自分、では受け入れてもらえなくて、
かと言って、格好つけた嘘の自分を受け入れてもらっても満たされない。
悪人はどこにもいなくても、善人の弱さだけで悲劇が起こることがある。
しかし悲劇の渦中にいる人は、傍から見ると滑稽で喜劇的だったりして・・・
うーん、まさに複雑な人間社会の鏡のよう。
授業では、すべてを読み終えたうえで、
狐の死に顔が「うすら笑ったやう」だったというラストシーンの表現に関して、それぞれの解釈をまとめてもらいました。
これでもう樺の木に嘘をつかずに済むという解放感から「うっすら」と笑みをうがべていた
という意見や、
きつねの嘘を真に受けて、殺人までしてしまった土神を嘲って「うすら笑い」をしていた
という意見・・・
どちらもあり得るし、宮沢賢治がどちらにも読めるように計算して書いたのでは?
という気もしてきます。
読み込めば読み込むほどに、人間関係の酸いも甘いも感じさせられるような味わい深い作品です。
フィロソフィア国語教室 西荻駅前教室 山田あかね