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読解問題には、読み方・解き方がある!
なんとなく読み、なんとなく解くことをやめて、論理的な解法を習得してください。

わかりやすい文章の書き方を知っていますか?
作文と小論文の違いがわかりますか?
上手に書くためのコツを学びましょう!

苦手な方歓迎!古文・漢文が、最短時間で、正しく読めるようになるために。文法の知識と読み方とを丁寧に解説します。

慣用句や四字熟語はもちろん、和歌・俳句から文学史まで。国語に関して知っておきたい知識を、わかりやすくまとめてあります。

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フィロソフィア国語教室

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駅前教室日記(2)

寒くなってまいりました。

 

今学期の「精読教室」では、有島武郎「一房の葡萄」を読んでいます。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/211_20472.html

 

「僕」に葡萄をさしだす優しい先生の「大理石のような白い美しい手」という記述に

私としては、聖母マリア像の姿を重ねてしまうのですが、

同時に、それが「どこにも見つからない」という最終段落の意味を

あれこれと深読みしたり、もやもやと考えさせられます。

 

授業ではとくに、「僕」が「ジム」の絵の具を盗んでしまう場面を、

人間の中にある「意識/無意識」に注目しながら読み進めました。

 

この場面を丁寧に読みわけていくと

「思わず」「夢で鬼にでも追いかけられた時のように」「半分夢のように」「なんのためだか知らないが」

という表現に見られる、自分が自分でなくなっていくようなと感覚と、

「急に頭の中が氷のように冷たくなる」

という表現の後に見られる、状況を客観的に分析する理性が

「僕」の中に同居していることがわかります。

 

このように、同一人物の中に相反する感情が同居していることや、

気持ちと行動が一致しないことについて、

なんとなく状況は理解できるものの、文章化するのを苦戦している生徒さんも見られました。

 

読了後は

「先生もジムも主人公にあますぎる!泥棒はもっとこらしめなきゃ。」という感想も聞かれましたが、

先生が自分を信じてくれたこと、友だちが受け入れてくれたことで「僕」が前よりも「いい子」になったというこの物語の結末が、

わたしにはとても自然なものとして受け入れられます。

 

ただ人の優しさに触れたり、その記憶を持っているということが

人を良い方向に向かわせていくことがあるのだということを

改めて思い出させてくれる作品です。

 

                 フィロソフィア国語・寺子屋教室 西荻駅前教室  山田



投稿者: フィロソフィア国語教室投稿日時: 2016年11月1日 11時11分