読解問題には、読み方・解き方がある!
なんとなく読み、なんとなく解くことをやめて、論理的な解法を習得してください。
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作文と小論文の違いがわかりますか?
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寒くなってまいりました。
今学期の「精読教室」では、有島武郎「一房の葡萄」を読んでいます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/211_20472.html
「僕」に葡萄をさしだす優しい先生の「大理石のような白い美しい手」という記述に
私としては、聖母マリア像の姿を重ねてしまうのですが、
同時に、それが「どこにも見つからない」という最終段落の意味を
あれこれと深読みしたり、もやもやと考えさせられます。
授業ではとくに、「僕」が「ジム」の絵の具を盗んでしまう場面を、
人間の中にある「意識/無意識」に注目しながら読み進めました。
この場面を丁寧に読みわけていくと
「思わず」「夢で鬼にでも追いかけられた時のように」「半分夢のように」「なんのためだか知らないが」
という表現に見られる、自分が自分でなくなっていくようなと感覚と、
「急に頭の中が氷のように冷たくなる」
という表現の後に見られる、状況を客観的に分析する理性が
「僕」の中に同居していることがわかります。
このように、同一人物の中に相反する感情が同居していることや、
気持ちと行動が一致しないことについて、
なんとなく状況は理解できるものの、文章化するのを苦戦している生徒さんも見られました。
読了後は
「先生もジムも主人公にあますぎる!泥棒はもっとこらしめなきゃ。」という感想も聞かれましたが、
先生が自分を信じてくれたこと、友だちが受け入れてくれたことで「僕」が前よりも「いい子」になったというこの物語の結末が、
わたしにはとても自然なものとして受け入れられます。
ただ人の優しさに触れたり、その記憶を持っているということが
人を良い方向に向かわせていくことがあるのだということを
改めて思い出させてくれる作品です。
フィロソフィア国語・寺子屋教室 西荻駅前教室 山田