読解問題には、読み方・解き方がある!
なんとなく読み、なんとなく解くことをやめて、論理的な解法を習得してください。

わかりやすい文章の書き方を知っていますか?
作文と小論文の違いがわかりますか?
上手に書くためのコツを学びましょう!

苦手な方歓迎!古文・漢文が、最短時間で、正しく読めるようになるために。文法の知識と読み方とを丁寧に解説します。

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駅前教室開校記(10)

月曜・金曜日に開講している中学生の精読教室では、夏目漱石『夢十夜』を取り扱いました。

 

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html

 

「こんな夢を見た」という一文に始まる10の短編で構成されるこの作品のうち、

本日の授業で扱った第三夜はとくに、怪談話のような不気味さを感じさせられます。

 

授業では物語のキーワードとなる「重さ」について、

さまざまな例を挙げながら説明しました。

 

責任が重い、荷が重い、胃が重い、筆が重い、足が重い、頭が重い、話が重い、罪が重い、口が重い、人間関係が重い・・・

 

ずらっと並べてみると、やはり気が重くなります。。。

 

これらの「重さ」に共通する、ずっしり、どっしりとした、不自由の感覚は

ある程度長い時間を生きてきた人間(=大人)が、

いつのまにか宿命的に背負ってしまうものです。

 

しかしこの物語では、

本来であれば「重さ」を知り得ないはずの「子ども」が

その意味を、大人以上に熟知しており

その不自然が、この物語全体を「重い話」にしているとして

物語の構造を解説しました。

 

難解な話ではありましたが、

「この話に不気味な印象を与えている要素を指摘しなさい」

という設問を授業の最後に取り扱うと、

参加した生徒さんはそれぞれに

いくつかの解答を導き出すことができていました。

 

『夢十夜』は10話どれもが充実していて、読むたびに新たな発見があります。

何度でも読み返して、自分なりの解釈を見つけながら作品を味わってほしいです。

 

               フィロソフィア国語教室 西荻窪駅前教室担当 山田



投稿者: フィロソフィア国語教室投稿日時: 2015年12月8日 00時00分